想い
人生の挫折から立ち直り、ユアマイフルの代表がマインドフルネスを伝え始めることになるまでの長いお話
①幼少期から大学時代までの生い立ち~根底にある価値観~
海も山もある自然風土にあふれた北海道岩内町で生まれ育ちました。
小中高すべての校舎から見える雄大な岩内岳をみるのが好きで、海や山の季節折々の変化、自然の様子を肌で感じながら育っています。
子ども時代はそのような環境の中で、友だちと野の草花を摘み、、他学年の友達とも積極的に夕方まで遊びまわるような子どもでした。
人には感謝して分け隔てなく接する両親・祖父母を見て育った私は、基本的に人が好きで、
人との出逢いは本当に有難いことだと思って生きてきました。
両親から学んだ、「みんなで良くなる」「協力して生きる」という価値観が根底に根付いています。
そんな私に転換期が現れたのは高校生の時でした。
学びが好きな私は高校での勉強がさらに面白くなり、勉強で努力をし続けたら報われ、やってみたいと思って挑戦したことすべてが楽しくやりがいを感じるようになりました。
勉強、部活、バイト、生徒会、書道の習い事すべてをこなして大忙しの毎日でしたが当時の私にとっては充実感でいっぱいでした。
母に「お母さん!わたし今青春だよね!」と言い放っていたそうです。
それまでは楽しく遊ぶことしか頭に無く勉強もしてきませんでしたが、動けば広がる交友関係も嬉しくて、自分もやればできる、報われるんだ、自分もやりたいことをやってもいいんだ!と目の前がパァァっと開けたような感じがしていました。
その中の1つ、アルバイトでの経験が私の人生に大きく影響します。
高校で初めてアルバイトをした時、家の近くだったため欠員が出ると私はすぐにシフトに入ることができました。そのことは店舗のオーナーさんにとても感謝されました。
この時、人から必要とされているという感覚を味わうことになりました。自分でも人の役に立てると思わせてもらい、私も喜びを感じていました。さらに「接客」というアルバイトを始めたことで、もともともっていた「人が好き」ということを一層感じるようになります。
アルバイトでもお客様と顔なじみになれたこと、性別問わず様々な年代の方と会話をさせて頂けることにとても楽しさを感じていました。
このアルバイトの経験を通して改めて「人が好き」ということを再確認し、将来は人と接する仕事に就きたいと漠然と思うようになります。
高校で得たこの感覚は一人暮らしを始めた札幌での大学生活でも持ち続け、勉強、部活(茶道部でした!)アルバイトに精を出し、大学生活を満喫していました。その中でも私の中心にあったのは「人への興味」と「学ぶこと」でした。
②喜びと挫折の連続~社会人時代~
卒業後は就職活動を経て第一志望のお菓子の販売職に就きました。
「家族のだんらんの中心にいつもおいしいお菓子を。家族だんらんのお手伝い」という企業理念に魅力を感じており、入社が決まった時は天にも昇る気持ちでした。
しかし入社後すぐに先輩からのダメ出し、厳しい口調での指導を受け、入りたかった会社に入れた喜びは一瞬で消し去られます。
「石の上にも三年」という言葉を母にもらい、そのように思って努力したことと、昔から備わっている「人が好き」「みんなで一緒によくなる」という点をただただ心にとめて、歯を食いしばるような気持ちで努力しました。
教えていただくことをミスなくこなすことで少しずつ上司からの信頼を得、また来てくださるお客様に目を向け、ひたすらお客様に喜んでいただくことを考えて過ごした日々。
幸いにも、「人が好き」というベースが幼いころからあったたため、接客をする中でお客様と心通う人間関係を構築できたことはまったく駄目で叱られっぱなしの私に自信を与えてくれました。会社の雰囲気ややり方にも時間の経過とともに適応していき、少しずつ社会人としての階段を登りました。
はじめ、とても辛く感じた社会人生活のスタートでしたが、社会人としての基礎を教えていただいたこと、そして、同時に接客スキルに関しても多くのことを学ばせていただいたこの時期のことは、今も感謝する部分が多くあります。
そして入社4年目、日ごろの先輩からの接客指導のおかげで、社内の接客コンテストで優勝という貴重な経験もさせていただきました。直属の上司、そして両親の喜びの顔は今でも忘れることができません。
そのようにして社会人として順調に歩んでいるように見えた入社8年目。
再び転機が訪れます
店長職の役職もいただき、接客スキルで売上最低店舗を黒字経営に回復させ社長から直々にお礼のお電話をいただくなど、目に見える成果に喜ぶ半面、だんだんと仕事の多さ忙しさに忙殺され、自分で自分のしていることに意義が見いだせなくなっていきました。
店長になったのはいいものの、マネジメントの仕方がわからず、スタッフ同士の人間関係や、私自身もスタッフとの人間関係に悩む日々。
自店の売上は上がってもみんなでやっている達成感は少しも味わえず苦しくなっていきました。数字が付いてきているので上司や会社は認めてくれましたが、次はその状態をキープしなければという思いに駆られ、出勤時間終了後も休日も家で仕事ばかりをする仕事人間になっていきました。
そしてだんだんと周りの目を気にして自分の意見を言えなくなり、体裁を気にして繕うことも多くなり、色々な場面で他を優先し自分を後回しにするようになっていきました。
この時、私は自分の悩みや本心を言える人を見つけられませんでした。立場上、スタッフの育成やマネジメントがうまくいっていないことを人に言えなかったのです。
自分一人でやればいいと自分を奮い立たせ、人の期待に応えるだけの仕事人間になり、自分で自分のことを大切にすることがまったくできなくなっていきました。
接客コンテストで優勝し、上司から信頼されて店長になり、人からはキラキラしているように見えたかもしれませんが、自分の内側は全く満たされていないことに気づいていました。それでも当時は気づいていてもどうすることもできず、ただ目の前にある膨大な仕事を毎日こなす、という過ごし方をしていました。
③「何のために生きているのかわからない」~仕事人間の末路~
このように自分を顧みずに過ごした結果、私は自分が何を好きだったかさえわからなくなり、自分より他者を優先する生き方になり、自分の存在意義・生きる意味を見失いました。
接客という自分の天職で仕事ができていると幸せをかみ締めていたのに、時間がもったいないからと気づけば自分から好きなことを遠ざけ、休むことをまったくせずに仕事をする日々へと変化していきました。
睡眠時間を削り、食事も簡単に食べられるものを選んだりして食生活もおろそかにするという生活。今考えるととても恐ろしいですが、当時の私はそのようにすることしかできませんでした。そしてこのような生活を続けた結果、私はなんのために生きているのかわからなくなり心も体もボロボロの状態になりました。
④前進~ヨガとの出逢い~
そんな中、たまたま誘われてヨガに出逢います。
初めてヨガを経験した時、「誰か」ではなく、こんなにも自分の体だけに集中して良いのだろうか!と衝撃を受けました。
私たちはいつも自分以外の人や物事のことで頭がいっぱいで次から次に色々なことを考えて思考が止まりません。
ヨガのポーズは本来「そんな忙しい頭の状態では瞑想できないですよね」という所から「心を静めるための準備」として位置づけられています。頭や心を静めるために、まず自分の体に意識を向けてみましょう。ポーズをとっている自分の体の感覚に集中することで、他の思考が入る隙をなくし、頭の中の忙しい思考を静めていきましょう、という意図があります。
私が初めてヨガをしたときに受けた衝撃はまさしくこの感覚だったのだと思います。
ヨガのポーズをとり自分の体の感覚だけに集中することで、いつも周りのことばかり考えていた私の頭の忙しさは落ちつき、久しぶりに自分に意識をむけることができたのだと思います。
そして、この感覚と同時にこれまで自分がやってきたことを認め、許されたような気持ちになったのを今でもはっきり覚えています。
私は人の期待にただただ応えるために仕事をしていて、膨大な仕事をこなしている「自分」というものを認めたり、労わることをまったくしていなかったと気づきました。自分がどんな状態で毎日を過ごしているか、自分の身体のことをまったく考えられていませんでした。
ヨガに出逢い、他のことを考えずにポーズをしている自分の体だけに意識を向ける時間をもつことではじめて、自分のことを考えてもいいと自分に許しを与えることができたのでした。
⑤人生を変えたヨガで得られたもの
この衝撃が忘れられず、今の自分にとってヨガが必要であると自覚し、ヨガを続けました。
ここで得られたのが「誰かのためではなく自分のためにゆっくり心落ち着く時間をとっても良い」という心の変化。
この変化が私の人生を大きく変えていきます。
ヨガをして、自分がどんな呼吸をしているかを静かに感じて、
心の奥では本当はどうしたいと思っているかに気づく。
自分は何が好きなのか。なにに価値を感じないのか。
ヨガのポーズをとり、静かに自分と向き合うことで、このように「本当の自分」を知ることができるようになっていきました。
それからは少しずつですが、自分の軸で生きられるようになり、より自分らしくいられるようになったとも思います。
もちろんヨガを通して心の変化だけでなく、体や健康の面でも大きな変化がありました。
それまでなかった体を動かす習慣は体にも心にも心地よく、代謝が上がって疲れにくくなりました。
驚いたことは、ヨガを始めて4か月ほどで身長が1センチ伸びたことでした。
当時は驚きましたがこれは、ヨガをすることで歪んでいた背骨や骨盤が正しい位置に矯正され、筋力がついたことで骨格を正しい位置にキープできるようになったからだと今ではわかります。
このように私の心と体はヨガによって少しずつ自分らしさを取り戻し、何のために生きているのかと思っていたところから抜け出すことができました。
⑥このまま販売職を続ける?それとも…
ただ、会社でのやりがい、楽しさは取り戻すことができず、自分と向き合う中で転職を考えるようになりました。
たくさんの人が自分を信頼してくれているのを感じていた中、お世話になった会社を辞めることを本当に悩みましたが、自分の心が本当はどうしたいかを考えていいんだよと教えてくれたヨガの道に進むことを決めてヨガの企業に転職しヨガインストラクターになりました。
この経験から、人間関係や職場のストレスで悩む方、仕事の重圧で苦しむ方、自分を顧みず仕事に追われ自分がわからなくなっている人のためにヨガを伝えたいと思うようになりました。
私は自分一人ではどうすることもできなかったので、もし同じようなことで苦しんでいる方いたら、少しでも楽になり、心の安定をもって日々を生きられるようになってほしいという気持ちがあります。
ヨガインストラクターとしてのスタートした第二の人生はとても楽しく、充実していました。
自分が価値を感じているヨガを毎日伝えられる環境はとても有難いことだと感じていましたし、ヨガを通して人と心通うお付き合いができることはとても喜び溢れるものでした。
ヨガが好きで集まってきてくださる方との会話は楽しく、自分を慕ってくれる方々の存在もとても嬉しくやりがいも感じました。ヨガの学びを深めたり、ヨガ的な生き方を実践するのにもとても適した環境だったと思います。
また、ヨガを継続した方々がどんどんいきいきと変化していくのを目の当たりにすることにとても幸せを感じていました。
ただ、ヨガの世界も女性の職場。
ヨガを実践している者同士でさえも、こんなことが起きるのだと周りを見ていて葛藤する部分もありました。自分が当事者でなくてもそれを解決してあげられないことに悩むことが多くなりました。
⑦マインドフルネスとの出逢い~「そんなことできるの!?」からの奇跡の連続~
そんな時に私はマインドフルネスと出逢います。
なんとなく知っていると思っていたマインドフルネス。
この時はマインドフルネスのことを数あるリラックス方法の1つだと思っていました。
でも実際に会社の社員研修で学んでみると、ヨガとはまったく違う「気づきのトレーニング」であると知りました。
瞑想中に無になる必要はなく、何か考え事が浮かんできても大丈夫ですよ、というマインドフルネスの瞑想法は、最終的に悟りを目指すヨガの瞑想法とは違ってとても斬新でシンプルでわかりやすい!と思いました。
マインドフルネスでもマインドフルな状態を生み出すために瞑想をしますが、マインドフルネスでは瞑想中に浮かんできたことに対して、良い、悪い、と評価や判断をせずにただ観察する、ということをして受容していきます。マインドフルネスで大切なことは、「今この瞬間起こっていることに対して一切価値判断をしないでただ集中し『観察すること』」
はじめは本当にそんなことができるものなのかと疑問に思いました。
しかし、脳のしくみなども合わせて学ぶことで、とても論理的で大切な理論であると理解し、気づくこと、観察することをやってみようと思いました。
このマインドフルネスの教えを知ったことで、今までヨガで得ていた頭が静かになる感覚や自分にも優しさをもち自分を大切にする感覚を一層育めるようになった気がします。
さらに、私がマインドフルネスを知って最もよかったと思う点は、ヨガで学んでいた自分を俯瞰してみるという「客観視の視点」をより自分のものにできたことでした。
自分が何を感じているか、一歩引いたところからみるような視点をいつも持つことで、どんな自分でいたいか、どう行動するかを考える一瞬のスペースをもつことができるようになっていきます。そうすることで、感情に飲み込まれることが減り、少しずつ周りの環境によって自分が影響されることが減っていきました。
先ほどの例でいうと、周りでどんな争いごとがあっても、そのことで自分が影響を受けることはなく、周りで起きていることに良い悪いと判断することもなく、ありのままを見て、受け入れ、手放すということができるようになっていったというイメージです。
ただ、私にとっても決して簡単なことではなく、マインドフルネス瞑想でそのトレーニングを何度も繰り返し、継続することで徐々にできるようになっていったといえます。
自分の価値観と異なる方に行きそうになった時は、いったん立ち止まって客観視してみて、冷静に自分が大切にする価値観の方に戻ってくるという思考法はとても有益なことのように思います。
難しいことではありますが、「今この瞬間に起きていることに気づき、それに評価や判断をしないで、ありのまま受け入れる」というマインドフルネスは私にはあっていたので続けました。
そしてその後、このように私が変化していったことで、周りの方々が柔らかく穏やかになっていくという不思議なことを体験しました。
この驚くべき経験は、私の中でとても感慨深く、同時にとても大切なことであると胸に焼き付いています。
周りからの影響で感情的になるのを防ぐことができ、自身の感情コントロールにもつながること、そしてそのマインドフルネスな感覚は周りにも波及していくことを目の当たりにしてマインドフルネスの効果を身をもって感じた出来事になりました。
この経験から私はヨガと共にマインドフルネスな生き方に心から魅力を感じることになります。
同時に、現代のスピードが速い今の生活に疲れ切っている人がさらに辛い状況にならないように、職場の人間関係に悩んでいたり、自分を振り返る時間もなく毎日を必死に生きている方のためにマインドフルネスというセルフケアをお伝えして役に立ちたいと思うようになりました。
そのため、フリーのヨガインストラクターになってから改めてマインドフルネス瞑想講師の資格を取得し、今後はマインドフルネスも多くの方にお伝えできたらと思い、活動の主軸にすることを決意しました。
⑧私の原動力~昔からあった「人が好き」「みんなで良くなる」の先に~
私自身も今までに好影響をもらった方がたくさんいて、その方たちによって支えられ、困難を乗り越えさせてもらった経験がたくさんあります。
負のエネルギーで満ちていた私が人との出逢いによってヨガ・マインドフルネスを知り変化できたこと、人に出逢い手伝ってもらって自分が変わった経験から、今度は自分が人に良いものを波及できる存在になれたらという気持ちを持つようになり、今に至ります。
私がヨガやマインドフルネスを知ることができたのも、伝えてくれた人がいて、その方々との出逢いがあったおかげで今があります。
このように自分にとって必要な情報を知っているか知っていないか、大切な人とのご縁をどうするか、というのは本当に人生が変わる大事なことだと感じています。
このように私自身も今まで出逢ったたくさんの方にお世話になって今があるので、その有難みを今度は周りに還元していきたいという想いが今の私の原動力になっています。
人と人との出逢いによってマインドフルネスの共通概念が育まれ、今度はその共通概念をもった人が周りの人にもマインドフルな感覚を広げていく。そんなことを実現したいと思い、講師業の道を選びました。
⑨私の想い
私自身も大切にしている生き方は、マインドフルネスとヨガで学んだ心の平穏。
走り続ける中にちゃんと立ち止まること。
自分も物事も俯瞰してみること。
瞑想をして自分自身と向き合うこと。自分を大切にすること。
人への感謝。その感謝はできるだけ人に伝えることなどです。
これらの実践を継続していくことで、私は自分の価値観を大切にし、自分の人生を自分らしく味わい尽くせるのではないかと考えています。
自分の今の状態をしっかり見て、自分の状態をいつも知っていることが心身の健康の保持に繋がり、結果健やかに生きる幸せに繋がっていく。
自分自身と対話をして「無理をしている、辛いかもしれない」と気づいたら、その都度ケアをして自分で自分を癒し整えていくということが、今のスピードが速い現代社会ではとても必要ではと感じます。
過去、私は自分を顧みずに過ごし、自分より他者を優先する生き方を続けた結果、生きる意味を見失いました。
そんな私でしたが、今はマインドフルネスとヨガに出逢い、自分を取り戻すことができています。
何があっても私たち一人ひとりはかけがえのない存在であり、自分はいつでも自分の一番の理解者・応援者である必要があります。
良いこともそうでないことも起こる人生の中で心の不調・違和感に気づいたら自分、そして周りの大切な人たちのためにも、自分の呼吸に戻って一度立ち止まる大切さを感じます。
マインドフルネスはそのサイクルを生み出すとても素晴らしいツールだと思っています。
ぜひたくさんの方にマインドフルネスを知っていただきたいと思うのです。
そして、もし自分に合うとお感じになったらマインドフルネスを継続し、自分らしく健康な心身をもって大切な自分の人生を味わい尽くしてください。
私の夢は北海道全土にマインドフルネスを深く伝え広め、「マインドフルネス」が道民の共通語となることです。
一人一人のメンタルヘルスの向上が北海道の幸福度の向上に繋がり、ひいては日本の幸福度向上につながっていくと信じています。
そのため、まずは自分が暮らし、お世話になっている北海道苫小牧市にマインドフルネスの輪を広げ、誰もが心身ともに健康な街づくりに貢献したいと考え、活動を始めました。
一つ一つの研修・セミナーを心を込めてさせていただき、出逢えた皆さまのマインドフルネスライフを心から応援し、全力でサポートいたします。